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私たちは、ホームページを
売っているのではありません。
伺った話を、解釈して形にします。

仕事の中心は、制作ではなく、聞くことのほうにあります。 現場に伺って、その方が何を大事にしてきたのかを聞かせていただく。 それを私たちなりに受け取って、写真と、短い言葉と、見せる順番に置き換える。 できあがったサイトは、その解釈の結果です。
ここでは、伺った話と、それをどう表したかを並べてご紹介します。

ご承諾をいただいた事業だけ、載せています。

打ち合わせで伺うのは、その事業の内側です。仕入れの都合、値付けの考え方、これから仕掛けたいこと。制作に必要だからお聞きするだけで、他所でお話しすることはありません。ここに並んでいるのは、掲載してもよいと特別にご承諾をいただいた事業だけです。文章はすべて、公開前にご本人に確認いただいています。取り下げたいとおっしゃれば、その時点で下げます。

岐阜/寿司  創業 昭和二十八年

千成寿司本店

規格外の旬を握る

伺ったこと

大将は、自分の仕事について淡々と話される方でした。声を張るわけでも、言葉を尽くすわけでもありません。それでも、ネタの選び方の話になったときの間の取り方や、手の動きに、譲れないものがあるのが伝わってきました。
もうひとつ印象に残ったのは、女将さんがお客様を見ている目と、スタッフの方との言葉数の少ないやりとりです。この店の空気は、大将ひとりで作られているのではありませんでした。長く続いている店には、続いてきただけの関係があります。

表したこと

熱を語らない人の熱を、どう出すか。説明を増やすとかえって嘘になる気がして、逆に削りました。
最初の画面は、一貫の写真だけ。言葉は「規格外の旬を握る」の一行と、創業年だけにしています。淡々としたまま、ただし選ぶ基準だけははっきり見えるように置きました。饒舌な店ではないので、サイトも饒舌にしないほうが、本当のところが伝わると考えました。

福井・越前/かに・海鮮  越前漁港 徒歩0分

海鮮食処 えちぜん

漁師の食卓へようこそ

伺ったこと

お父さんが獲ってきた魚を、お母さんと娘さんたちが料理して出す。そういう店です。漁港の目の前なので素材が良いのは当たり前として、伺って驚いたのは、厨房と客席にいる女性たちの勢いのほうでした。
おいしさは食材だけで決まるのではなく、出す人の元気がそのまま味に乗る。理屈ではなく、その場にいて分かりました。

表したこと

「新鮮」「産地直送」は、どの店でも言えてしまいます。だから素材の話から入るのをやめました。
最初に出すのは、船の上から見た海です。そこに「漁師の食卓へようこそ」とだけ置きました。店ではなく、食卓。家族が獲って家族が作る場所に招かれる、という順番にしています。人の気配を先に出して、料理はそのあとに見ていただく構成です。

三重・伊勢/うなぎ  伊勢神宮外宮の門前

喜多や

一尾ずつ、目で見て。

伺ったこと

創業から100年を超える鰻屋さんです。伊勢神宮外宮の門前にあり、参拝のたびにここへ寄るのが決まりになっている方が、全国にいらっしゃると伺いました。
焼き方も独特です。串を打たず、箸だけで鰻を返す「箸焼き」。一尾ごとに脂の乗りも肉の付き方も違うから、同じようには焼けない、という話でした。手間のかかるやり方ですが、この技術が受け継がれていってほしいと感じました。

表したこと

100年、老舗、名物。使いたくなる言葉を、全部やめました。年数を誇る店は他にもありますし、それだけでは何が違うのか伝わりません。
代わりに、箸焼きという技術そのものを見出しにしています。「一尾ずつ、目で見て。」この一行が、なぜこの店の鰻が他と違うのかの説明になっています。技術のことは、記録として残る形で書きました。いつか継ぐ方が読むかもしれない、と思ったからです。

愛知・篠島/宿  全17室・全室オーシャンビュー

浜辺の宿 大舟

玄関を出て、十歩で砂浜。

伺ったこと

篠島は、船でしか行けません。不便な場所です。それでも来ていただくには理由がいる——そう身構えるところですが、ご主人も女将さんも、そういう気負いのない方でした。
料理も接客も、ありのまま。玄関を出れば砂浜で、漁師の島なので魚は年中おいしい。それ以上でも以下でもない、という話し方をされます。誇張しない人がやっている宿は、それだけで信頼できます。

表したこと

飾らない人の宿を、飾って見せるわけにはいきません。
見出しは「玄関を出て、十歩で砂浜。」立地を言葉で誇張せず、歩数で言い切りました。あわせて、全17室・全室オーシャンビュー・篠島港より無料送迎・名古屋から約60分と、判断に要る事実だけを最初の画面に並べています。離島の宿を選ぶ人がいちばん気にするのは、行けるのかどうかと、着いたあとどうなるかですから。

千葉・館山/ペンション  平砂浦海岸まで徒歩7分

ペンション キャッチボール

太平洋に沈む夕陽を、屋上の湯から。

伺ったこと

犬と泊まれる、小さなペンションです。芝生の庭でバーベキューができて、敷地にはヨットがあって、その中に泊まれます。
どれも、先代がお客様を喜ばせようとして作られたものでした。いまはご家族が引き継いでおられます。設備の話というより、人柄がそのまま形になった宿だと感じました。引き継いだ側が、その遊び心をちゃんと受け止めておられるのも伝わってきました。

表したこと

遊び心は、説明すると寒くなります。「楽しい仕掛けがいっぱい」と書いた瞬間に、嘘くさくなる。
だから設備を並べ立てず、屋上の湯から見える夕陽を一行にしました。「太平洋に沈む夕陽を、屋上の湯から。」先代が仕込んだ仕掛けは、来てから見つけてもらったほうが面白いはずです。サイトでは全部を明かさない構成にしています。

千葉・岩井海岸/合宿  創業1960年

民宿 川徳

合宿は、宿の力で変わります。

伺ったこと

いまは合宿専門の宿です。大広間に通していただくと、寄せ書きと手紙が壁一面にありました。何十年ぶんかの、学生たちからの礼状です。
合宿は、安心と安全がなければ次がありません。事故なく、体調を崩さず、練習に集中できて、ちゃんと食べられる。当たり前のことを毎年続けるのは、簡単ではないはずです。ご主人と奥様の気持ちが、あの紙の量になって残っているのだと思いました。

表したこと

合宿先を決めるのは、たいてい幹事の学生か顧問の先生です。その人が最初に知りたいのは、雰囲気ではなく数字でした。何人入るのか、練習後に全員が集まれる部屋はあるのか、駅から歩けるのか、バスは停められるのか。
だからスクロールする前に、22室・最大80名・60畳の多目的ホール・海まで100m・駅から徒歩8分・駐車場20台を並べました。見出しは「合宿は、宿の力で変わります。」条件を先に見せて、そのあとで宿の姿勢を読んでいただく順番にしています。

千葉・岩井海岸/民宿  全9室

Sunset Beach Inn 川奈

部屋からも、湯船からも、沈む夕日。

伺ったこと

浜の真ん前に建つ、全9室の民宿です。夕日がきれいで、何もしなくてもいい場所でした。
料金を抑えて続けておられる理由を伺うと、「気軽にまた来てほしいから」と即答されました。釣りや海水浴の拠点にする方も多いのですが、ご主人は「来て、食べて、ゆっくりするだけで十分」とおっしゃいます。年中お客様が絶えないのは、その考え方が伝わっているからだと思いました。

表したこと

安さを前面に出すと、安いから選ばれる宿になります。それはご主人の望まれていることではありませんでした。
だから価格ではなく、部屋からも湯船からも夕日が見えることを主役にしました。「部屋からも、湯船からも、沈む夕日。」添えたのは、全9室すべてが海に向いていること、目の前は遠浅の砂浜であること、都会から1時間半で着くこと。何もしない時間を買いに行く場所として、伝わるようにしています。

まず、お話を聞かせてください。

作るかどうかは、そのあとで構いません。何を大事にしてこられたのかを伺えれば、それをどう表せるか、その場でお伝えできることもあります。

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