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集客と経営2026.07

クリニックのブランディングで、
まず何をすべきか

ロゴでも、内装写真でもありません。
患者さんが「行っても大丈夫か」を確かめる道筋を整えることです。

クリニックのブランディング、という言葉には少し身構えます。ロゴを新しくして、内装を白木にして、写真を柔らかい光で撮る。そういう話に聞こえるからです。

そうではありません。患者さんが受診を決めるまでに、何を不安に思い、何を確かめようとするか。そこに答えを用意することが、クリニックにとってのブランディングだと考えています。順番を書きます。

患者さんは、まず不安を減らしたい

飲食店を選ぶときと、クリニックを選ぶときでは、頭の働き方が違います。

飲食店なら「美味しそう」で決まります。ですがクリニックは、「行っても大丈夫か」を確かめてから決めます。期待で選ぶのではなく、不安を消して選ぶ。ここが出発点です。

具体的には、こういうことを考えています。

デザインが解決できるのは、この中のごく一部です。残りは、情報が載っているかどうかで決まります。

まず整えるべき順番

費用のかからない順、かつ効果の大きい順に並べます。

優先順位

① Googleマップ …… 診療時間・休診日・電話・地図・駐車場

② 院長の紹介 …… 顔写真・経歴・診療にあたっての考え

③ 症状からの入口 …… この症状のときはこちら、という案内

④ 受診の流れ …… 初診の持ち物・所要時間・費用の目安

ロゴや内装写真は、この後です。先に来ることはありません。

① Googleマップが、実質的な玄関です

「◯◯市 内科」と検索したとき、最初に出るのは地図です。ホームページより先に見られます。ここが埋まっていないと、その先には進みません。

とくに、次の3つは必ず確認してください。

すべて無料でできます。ホームページの前に、まずここです。

② 院長の紹介は、いちばん読まれます

クリニックのサイトで、実際によく見られるページはどこか。トップページを除けば、ほぼ確実に院長の紹介です。

患者さんは、設備ではなく人を見ています。とくに初めての方は、「どういう人に診てもらうのか」を先に知りたがります。

載せるべきものは3つです。

顔写真

正面から、はっきり写っているもの。白衣で腕を組んだ写真より、少し笑っている写真のほうが安心されます。スタッフの方の写真も、可能な範囲であるとよいです。受付で最初に会うのはその方だからです。

経歴

出身大学、勤務した病院、専門分野、所属学会。短くて構いませんが、省略しないでください。ここは「確かめる材料」なので、多いほうが安心されます。

診療にあたっての考え

いちばん差がつくのはここです。理念のような抽象的な文章ではなく、実際にどう診るかを具体的に書いてください。

たとえば——
「説明に時間をかけます。そのぶんお待たせすることがあります」
「必要のない薬は出しません」
「当院で対応が難しい場合は、早めに紹介状をお書きします」

これらは、合わない方を遠ざける文章でもあります。それでいいのです。合う方に来ていただくほうが、双方にとって良い結果になります。

③ 症状から入れるようにする

患者さんは、診療科目の名前で探していません。「せき」「肌がかゆい」「健康診断で引っかかった」といった、自分の状態で探しています。

ですから、「内科・小児科・アレルギー科」と科目を並べるだけでは足りません。症状の言葉から入れる入口を作ってください。「こんなときはご相談ください」として、実際に多い症状を並べるだけでも変わります。

これは検索にも効きます。専門用語ではなく、患者さんが使う言葉で書かれているページのほうが、探している人に届きます。

④ 受診の流れと、お金のこと

ここが書かれているクリニックは、多くありません。だから差がつきます。

費用の話は、書きにくいと感じられるかもしれません。ですが、書かないほうが不安を残します。保険診療で金額を出しにくい場合も、「3割負担の方で、おおよそ◯◯円程度です」と幅で書けば十分です。

口コミへの向き合い方

クリニック特有の難しさがあるので、触れておきます。

Googleの口コミには、待ち時間や受付の対応についての厳しい書き込みが付きます。ときには、事実と違うものも付きます。そして、返信には守秘義務の壁があります。「その方は来院されていません」「そのような処置はしていません」と書くこと自体が、情報の開示になりかねません。

ですから、返信は次の形が安全です。

返信で、してはいけないこと

個別の診療内容に触れないでください。来院の有無、症状、処置の内容。これらに言及した時点で、守秘義務の問題が生じます。相手が事実と違うことを書いていても同じです。

書けるのは、一般論としての改善の姿勢だけです。「お待たせして申し訳ありません。予約枠の見直しを進めています」——この程度にとどめるのが安全です。反論したくなる気持ちは当然ですが、そこは我慢のしどころです。

それよりも、良い体験をされた方が書きやすい状態を作るほうが効きます。会計時に一言お願いする、待合にカードを置く。強制にならない範囲で。数が増えれば、個別の書き込みの影響は自然と薄まります。

デザインの話は、最後にします

ここまで整ったうえで、ようやく見た目の話になります。そして、そのときも派手にする必要はありません。

クリニックのサイトで大事なのは、文字が読みやすいことです。患者さんの年齢層を考えれば、当然の話です。細い書体、薄いグレーの文字、動く要素。これらは全部、読みにくさになります。

色も、診療科によって考え方が変わります。小児科なら明るくてよいですし、内科や整形外科なら落ち着いた色のほうが安心されます。おしゃれかどうかではなく、来る方に合っているかどうかです。

まとめると

クリニックのブランディングとは、「ここなら大丈夫そうだ」と思ってもらうまでの道筋を整えることだと考えています。ロゴや内装は、その道筋の最後にある仕上げです。

そして最初の一歩は、無料でできます。Googleマップの診療時間を確認する。院長の顔写真を載せる。それだけでも、確実に変わります。

いまの状態を、見てみましょうか。

クリニックの名前を教えていただければ、患者さんの目線でGoogleマップと検索結果を確認し、
不足していそうな箇所をお伝えします。制作のご依頼でなくて構いません。

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