「うちはInstagramをやってるから、ホームページは要らないよね」
よく言われます。そして、本当に要らないお店もあります。弊社はホームページを作る会社なので、作れと言うに決まっていると思われるでしょう。ですので、先に書いておきます。Instagramで足りているお店は、足りています。無理に作る必要はありません。
問題は、足りているのか足りていないのかを、どう見分けるかです。そこを書きます。
お客様が店を決めるまでには、3つの段階があります
ここを分けて考えると、話がはっきりします。
① 知る …… こんな店があるんだ
② 調べる …… どこにある? いくら? やってる?
③ 決める …… ここにしよう
Instagramは、①に非常に強いです。写真で目を引き、知らなかった店を知ってもらう。この力は、他のどの手段より上です。
いっぽう、②と③はInstagramの得意分野ではありません。これは欠点ではなく、そういう作りだからです。写真を流れるように見せる場所であって、調べ物をする場所ではありません。
Instagramで完結する店、しない店
分かれ目は、②と③にどれだけ手間がかかるかです。
単価が高くない。ひとりでも決められる。写真がそのまま決め手になる。
——カフェ、ケーキ屋、ラーメン店、雑貨店、美容室
完結しにくい
単価が高い。誰かと相談して決める。日程や人数の調整がいる。条件が複雑。
——宿、宴会・法事、クリニック、工務店、士業、教室
「今日ここでコーヒーを飲もう」は、写真1枚で決まります。「両親を連れて泊まる宿を決めよう」は、写真1枚では決まりません。部屋の広さ、食事の内容、料金、キャンセル規定、駐車場、送迎の有無。これらを調べて、家族に見せて、それから決めます。
ご自身のお店が下の列に近いなら、Instagramだけでは②で取りこぼしている可能性が高いです。
取りこぼしは、目に見えません
ここが厄介なところです。
Instagramを見て「良さそうだな」と思った方は、次にほぼ必ずお店の名前で検索します。そこで、営業時間、場所、料金、予約方法がすぐに分からなければ、その場で離れます。
そして、離れたことは記録に残りません。Instagramの「いいね」は増えているのに予約が増えない、という状態は、たいていここで起きています。反応は良いのに来ない。理由が分からない。——ご相談の中で、いちばん多い形です。
ためしに、ご自身のお店の名前でスマートフォンから検索してみてください。初めてのお客様が知りたいこと——場所・営業時間・料金・予約方法——に、30秒でたどり着けますか。
たどり着けるなら、いまのままで足りています。
Instagramに、構造上できないこと
誰かの怠慢ではなく、仕組みとしてそうなっている、という話です。3つあります。
1. 店名以外では、見つけてもらえません
「岐阜 個室 法事」と検索する方に、Instagramの投稿はまず届きません。Instagramは、すでにあなたを知っている人に強く、まだ知らない人が探しに来る場所ではありません。いっぽう、後者は動機がはっきりしている——つまり、来店に近い人たちです。
2. 情報が流れて、残りません
「昨年から料金を改定しました」「駐車場の場所が変わりました」。投稿した当日は伝わりますが、3ヶ月後に探そうとしても、まず見つかりません。お客様は、過去の投稿をさかのぼってはくれません。
3. 借りている土地です
アカウントが凍結される、乗っ取られる、仕様が変わって表示が減る。どれもお店にはどうにもできません。そこに10年ぶんの積み重ねが全部乗っていると、失うものが大きくなります。乗っ取りについては別の記事に詳しく書きました。
では、何をどう組むか
役割で分けると、迷わなくなります。
Instagram …… 知ってもらう(①)
Googleマップ …… 見つけてもらう(②)
自分のサイト …… 決めてもらう(③)
どれかがもう一方の代わりになるものではありません。役割が違います。
そのうえで、お金のかからない順に書きます。
- まず、Googleマップを整えてください。無料です。営業時間、定休日、電話番号、写真、メニュー、駐車場の有無。ここが埋まっているだけで、②の取りこぼしはかなり減ります。順番として、これが最初です
- 次に、情報が置いてある場所を用意する。凝ったサイトである必要はありません。料金、アクセス、予約方法、よくある質問。この4つが載っているだけで、③は成立します
- Instagramは、そのまま続けてください。やめる理由はどこにもありません。①はInstagramがいちばん得意です
逆をやると、うまくいきません。立派なサイトを作ったのにGoogleマップが空欄のまま、というお店をよく見ます。お金をかけた側だけが整っていて、無料でできる側が放置されている。もったいない話です。
それでも、Instagramだけで足りるお店はあります
最後にもう一度書きます。
常連の方で席が埋まっている。予約は電話とDMで回っている。新規のお客様を無理に増やしたいわけではない。——このようなお店に、ホームページは必要ありません。作っても、たいして変わりません。そういうときは、そうお伝えしています。
必要になるのは、いまのやり方では届かない相手に、届けたくなったときです。代替わりのとき、新しい客層を取りたいとき、団体や法人からの依頼を増やしたいとき。そのタイミングで考えれば十分です。
ご自身のお店がどちらなのか、判断がつかないときはお聞きください。「いまのままで足りています」と申し上げることも普通にあります。
いまのままで足りているか、見てみましょうか。
お店の名前を教えていただければ、Googleマップと検索結果を見て、
取りこぼしていそうな箇所があるかどうかをお伝えします。制作のご依頼でなくて構いません。
同じ名物の店が並ぶ地域では、味が同程度でも行列ができる店とそうでない店に分かれます。何が分かれ目になっているのかを、5つに分けて書きました。
→ 同じ名物の店が並ぶ地域で、流行る店と流行らない店