「更新の通知が出ているのは知っています。でも押すのが怖くて、そのままにしています」。よくいただくご相談です。気持ちは分かります。押した瞬間にサイトが崩れたら、直せる人が社内にいないからです。
ただ、放っておくとどうなるかは、知っておいたほうがいいと思います。
WordPressは、更新し続ける前提の仕組みです
WordPressには、本体・デザインのテーマ・後から足したプラグインという3種類の部品があります。これらはそれぞれ別の人が作っていて、別のタイミングで新しい版が出ます。一般的なサイトには、プラグインだけで20〜30個が入っています。
便利にするたびに部品が増えます。予約フォーム、問い合わせ、画像の表示、SEO。どれも入れた時点では正しい判断です。ただ、増えた分だけ更新の対象も増えます。
1年目:まだ何も起きません
見た目は何も変わりません。表示も普通にできます。更新の通知だけが溜まっていきます。この時点で困ることは、まずありません。だから放置されます。
2年目:押せなくなります
ここが分かれ目です。更新を長く止めておくと、いざ押したときに壊れる確率が上がります。1つずつ順に更新していれば小さな変化ですが、何十回分をまとめて飛び越えると、部品どうしの噛み合わせがずれるからです。
そして怖いのは、壊れてから戻せないことです。バックアップを取っていれば戻せますが、取っていない場合は元に戻せません。だから余計に押せなくなります。押せないから、また溜まります。
3年目:気づかないうちに使われます
ここからが本題です。古い部品には、外から入り込める隙間が見つかっていることがあります。そこを狙われた場合、何が起きるか。
多くの方が想像するのは「サイトが壊される」「画面が真っ黒になって脅迫文が出る」といったものです。実際には、そういうことはあまり起きません。壊してしまうと、すぐ気づかれるからです。
実際に多いのは、気づかないまま使われるほうです。ページの片隅に見えないリンクを埋め込まれる。特定の条件のときだけ別のサイトへ飛ばされる。知らないページを大量に増やされる。
管理画面を開いても、いつもどおりに見えます。自分でサイトを見ても、何も変わっていないように見えます。
困るのは、そのあとです
Googleがそれを見つけると、検索結果に警告が出るか、表示されなくなります。「このサイトは危険です」と赤い画面が出るあれです。こうなると、順位を上げる以前の話になります。
そして、お客様が最初に気づくことがあります。「お宅のホームページを開いたら、変な広告が出たんだけど」と電話がかかってくる。これはかなり気まずい状況です。
もう一段、まずいこと
お問い合わせフォームを置いている場合、そこに入力された情報が抜かれている可能性があります。お名前、メールアドレス、電話番号。ご自身の情報ではなく、お客様の情報です。気づかないまま何年も続いていることもあります。
では、どうすればいいのか
更新を続けられるなら、続けてください
WordPressが悪いわけではありません。ブログを毎週書いていて、社内で更新できる方がいるなら、そのままがよいこともあります。更新して、開いて、確かめる。この3つを月に一度やれば、大きな問題は起きません。
続けられないなら、仕組みを変えたほうが安く済みます
更新を誰かにお願いすると、費用と手間が毎月かかります。逆に言えば、その費用を払っていないサイトは、更新されていません。「作ったきり放置している」というのは、そういう状態です。
更新しないのに更新の仕組みだけ抱えているのが、いちばん割に合いません。ページの内容がほとんど変わらないのであれば、更新の要らない作りにしてしまったほうが、結局は手間もお金もかかりません。
まず、確かめてみてください
- 管理画面にログインして、更新の通知が何件溜まっているかを見る
- ログインのしかたが分からなければ、それ自体が危ない状態です
- ご自身のサイト名でGoogle検索して、知らないページが出ていないか見る
- スマートフォンで自分のサイトを開いて、変な広告が出ないか見る
何もなければ、それでいいのです。心配なのは、確かめていない状態が続くことのほうです。
いまの状態を、お調べします
サイトのアドレスを教えていただければ、外から見て分かる範囲でお調べしてお伝えします。問題がなければ「大丈夫です」とお返事します。制作のご依頼でなくても構いません。
無料で相談するでは、具体的にどこが弱いのか。本体ではなく、プラグイン・テーマ・ログイン・サーバーに残った古いファイルのほうに弱点があります。今日からできることを優先順位をつけて書きました。
→ WordPressの弱点は、本体ではなくどこにあるか