ここ一年ほど、お客様から同じご相談を続けていただきます。「SEO対策の電話がしつこい」「Googleマップの順位を上げると言われたが、頼んでいいものか」。多いところでは週に何本もかかってくるそうです。
先に申し上げておくと、電話でかけてくる会社がすべて悪いわけではありません。まっとうな会社もあります。困るのは、受けた側に見分ける手がかりがないことです。同じ言葉を使い、同じような資料を送ってくるので、電話口では区別がつきません。
そこで、区別するための材料を書きます。私たち自身が同じ業種なので、内側の事情も含めて書けます。
かかってくる話は、だいたい3種類です
内容はさまざまに見えて、構造は3つに分かれます。
- 順位を保証する型。「3ヶ月で1位にします」「上位表示できなければ返金します」
- Googleの名前を借りる型。「Googleの認定を受けています」「Google公式のパートナーです」
- 長期契約型。月額は安いが、2年・3年・5年の縛りがある
3つが組み合わさっていることもあります。順番に見ていきます。
「1位にします」は、原理的に約束できません
検索順位もマップの表示順も、決めているのはGoogleです。しかも、自分が何もしていなくても、近所の同業者が本気で動けば順位は下がります。他人の行動に左右されるものを、外部の業者が保証することはできません。
ではなぜ保証を謳えるのか。契約書を読むと分かります。多くの場合、そこには「順位を上げる」ではなく「上位表示のための施策を行う」と書かれています。施策を行った事実さえあれば、契約は履行されたことになります。返金保証も、条件をよく読むと「特定のキーワードで」「特定の期間・地域で」と限定されていることがほとんどです。
電話口で「1位を保証します」と言われたら、「それは契約書のどこに書いてありますか」と聞いてみてください。この一言で、話が続かなくなることがあります。
Googleは、マップの順位対策を代理店に売らせていません
ここは誤解が多いところなので、正確に書きます。
Google広告(リスティング広告)には、Googleが認める代理店の制度があります。ですから「Google広告の正規代理店です」という説明自体は、成り立ちうる話です。
いっぽう、Googleビジネスプロフィール——つまりGoogleマップの表示順を上げる作業について、Googleが公式に認定した業者という制度はありません。存在しない資格を名乗っているか、Google広告の話とすり替えているか、どちらかです。
そもそもGoogleが、日本中の小さな飲食店や旅館に一軒ずつ電話をかけて営業する、ということ自体が現実的ではありません。「Googleから」と名乗られたら、まず社名を聞いてください。
その場で聞ける、4つの質問
専門知識は要りません。この4つを聞くだけで、かなりのことが分かります。
電話口で聞いてみてください
- 契約期間は何年で、途中でやめたら費用はかかりますか。——「解約時は残期間分を一括で」と言われたら、実質のリース契約です
- 毎月、何をしていただけますか。作業報告は出ますか。——具体的に答えられない場合、実作業がほとんどないことがあります
- Googleビジネスプロフィールのオーナー権限は、渡す必要がありますか。——後述しますが、渡す必要はありません
- 解約したあと、作ったものはどうなりますか。——サイトや投稿が消える契約になっていることがあります
いちばん危ないのは、権限を渡してしまうことです
料金の話より、こちらのほうが実害が大きいです。
Googleビジネスプロフィールには、オーナー権限と管理者権限があります。作業を任せるだけなら、管理者として追加すれば足ります。ところが「作業に必要なので」とオーナー権限そのものを移すよう求められることがあります。
オーナー権限を移すと、こうなります
解約しても、店舗情報を編集できるのは相手のままです。写真の削除、営業時間の変更、口コミへの返信——すべて相手を通さないとできません。返してもらえないまま連絡が取れなくなった、というご相談も実際にあります。
取り戻す手続きはありますが、Googleへの申請から確認まで時間がかかり、その間もお店の情報は相手の手の中にあります。
ですから、権限は「管理者」として渡す。オーナーは自分のままにしておく。これだけは、業者が誰であっても守ってください。私たちがお手伝いする場合も同じです。
私たちも、同じ業種です
ここまで書いておいて何ですが、弊社もSEO・MEOを仕事にしています。だから、この文章はお客様への注意喚起であると同時に、自分たちがどう見られているかへの説明でもあります。
弊社は電話営業をしていません。順位の保証もしません。ご相談をいただいたときにも、「いまのままで足りています」と申し上げることがあります。契約期間の縛りは設けていませんし、Googleビジネスプロフィールのオーナー権限をいただくこともありません。
それでも、電話や訪問で説明を受ける側からすれば、どこも同じに見えるだろうと思います。ですので、判断の材料になるものを書いておくことにしました。この記事を読んだうえで、弊社を含めて「怪しい」と思われたなら、それはそれで正しい判断です。
すでに契約してしまった方へ
まず、契約書を出してください。見るのは3ヶ所です。
- 契約期間と、中途解約時の取り決め
- 「保証」の対象になっている条件(キーワード・期間・地域)
- 解約後、制作物やアカウントがどうなるか
そのうえで、Googleビジネスプロフィールの管理画面を開き、オーナーが自分になっているかを確認してください。ここが他社になっている場合は、早めに手を打ったほうがいい状態です。
読んでも判断がつかないときは、契約書の写真を送っていただければ目を通します。費用はいただきません。営業のご連絡もしません。
その契約書、見せていただければ読みます。
制作のご依頼でなくて構いません。「これは普通ですか」というご質問だけでも結構です。
読んだうえで、問題がなければ「問題ありません」とお伝えします。